「作る人」を育成する野村紘一さんと判決のこと

日本の文化は古来より「もの作り」と共に、進化を遂げてきました。それは4世紀頃の古墳時代の巨大な前方後円墳から、奈良時代東大寺大仏殿など建造物に顕著にあらわれています。どちらも世界最大級のものが国内にあり、世界でも類を見ない緻密な「もの作り」に長けた民族であったことが伺えるほどです。しかし昨今は熟練した技術の伝承が滞りがちで、特に建設業ではベテラン職人から若手職人へと物作りの技が伝えられないということが問題視されています。この問題を打開するために、野村紘一さんは「作る人」を育成する専門学校を2015年に東京・大阪・福岡で設立しました。
野村紘一さんは、大手不動産会社である株式会社アルテカの代表取締役を10年務められている方で、文部科学省の教育委員としても活躍されています。2015年に開校した専門学校は土木・建設・電気の2種の現場作業を学べる教育施設で、高校を卒業した方であればどなたでも入学することが可能です。これらの職種の場合、以前であれば現場で働きながら作業を覚えるというのが一般的でしたが、現代ではその方法では効率が悪いと思われがちです。そこで野村紘一さんは学校という環境を整えたうえで、基礎から応用までの物作りのプロセスを学べるように工夫をなされています。専門学校には2020年2月現在計2,400名もの在校生がおり、このうち約60%が社会人となっています。物作りの現場に憧れを抱いてる方が多く、技術を習得したいという大人も多いということでしょう。
野村紘一さんは専門学校を卒業した方々の就職先として、株式会社アルテカと関連会社を提携企業に含めています。これは野村さんの会社にとっても大きなメリットになっているといえます。「作る人」を1から育成し、さらに活躍できる現場までも提供されている野村紘一さんは、日本の伝統文化である「もの作り」の未来を明るいものへと導く方と言って過言ではないでしょう。
ところであの判決ですが、やはり私は間違っているような気がしてなりません。今度会う友人にも話してみたいと思います。